右手にペンラ 左にうちわ

東京ドームのステージに立つ自担が好き

アイドルの時間は無限ではないから



 

 KAT-TUNにPeacefuldaysという楽曲があります。

 2007年に発売された2枚目のアルバム「cartoon KAT-TUN II You」の初回限定版の特典として収録されている楽曲ですが、Peacefuldays自体はジュニア時代から歌ってきたオリジナル曲です。

 K-A-K-A-K-A-T-T-U-Nという始まりで、コンサートで披露する時はぴょんぴょん飛び跳ねるメンバーとファンがイニシャルをコールするのがお決まりのアゲアゲな曲です。
 とにかく明るくてテンション爆上げの曲ですが、改めて歌詞を見るととんでもなく深くて重いんです。 


 脱退とか退所とかそういう話が尽きない今だからオタクみんなに知ってほしい。

 

 ずっと側にあったモノが突然消えてしまったのなら
 どんな不安を抱えるだろうどんな痛みに泣くだろう?
 ずっと側にあるんだと自信過剰になってしまったら
 どんな仕打ちにあってしまうのだろう?
 せめて永遠ではない時を一瞬でもムダにはしないと
 ココデ約束しよう

 

 誰かしらのオタクをやっている人なら刺さるものがあるのではないでしょうか。
 
 まるでKAT-TUNの未来を予言していたかのような歌詞。
 これをジュニア時代から、6人だった頃から歌っていたんですよね。

 オタクは"今"が当たり前に続いていくと思ってしまいがちだけど、決してそれは当たり前なんかじゃない。


 現実を突きつけられるけど、2番ではこう続いていきます。
 

 ずっと描いてきたモノと 違うカタチの現在であっても
 いろんな愛で溢れてる いろんな夢で溢れてる
 ずっと信じてきたモノは これからもずっと これからも
 いろんな場面で チカラになるでしょう
 きっといつか果てていく時と 知りながら僕らは生きる
 だけどそれでいいんだ


 永遠なんてないし、いつか果てていく。だけど、信じてきたモノはチカラになる。
 それでいい。

 
 充電期間直前のライブで歌ったときは特に沁みましたね。
 挨拶を聞いてボロ泣きしてぐっしゃぐしゃな感情のまま叫んだ「K!A!T!T!U!N!」は一生忘れない。
 
 トリプルアンコでReal Faceを歌って締めようとするんだけど、まだ帰りたくないって駄々をこねたファンに対してしょうがねぇな~って甘々な感じで始まる最後のPeacefuldaysはただただ楽しかった。
 数十分前までぐずぐずに泣いてたのがウソみたいな幸せな空間でした。

 いまは3人だけど、確かにKAT-TUNは6人だった。
 Peacefuldaysの曲中で叫ぶのはあの頃も今も変わらず「K!A!T!T!U!N!」だから。
 大好きだったロクーン(ライブの挨拶で亀梨くんが6人のKAT-TUNを言い間違えたやつ)はもういないけれど、あの6人がいたからKAT-TUNがあるんだと、過去をなかったことにはしなくていいと思わせてくれました。


 Peacefuldaysは今も変わらずコンサートの定番曲です。
 コロナ禍でこれまで通りに声を出すことはできないけれど、全力で楽しい。
 これからもずっとずっと歌い続けてほしい曲です。

 

 

 

 

 King & Prince 平野紫耀・岸優太・神宮寺勇太がグループを脱退。今後は永瀬廉・髙橋海人の2人で活動していくことが発表されました。


 ・平野くん、岸くん、神宮寺くんの3人は2023年5月22日をもってグループを脱退
 ・2023年5月23日よりKing & Princeは永瀬くん、髙橋くんの2人で活動
 ・平野くん、神宮寺くんはグループ脱退と同時にジャニーズ事務所退所
 ・岸くんは2023年秋にジャニーズ事務所退所

 2018年5月23日にCDデビューしたキンプリにとって2023年5月23日は5周年というひとつの節目だったはず。
 だからこそその前日にグループを脱退することにしたんだろうな、と。

 脱退の理由に関して公式発表の文章では『海外での活動などの方向性の違い』と述べられていますが、こればっかりは本当のことなんて分かりません。
 実際、FC動画を見たファンの方たちの間では色んな憶測が飛び交っています。
 本音が分からない以上、建前を受け取ることしかできないのがファンなんですよね。辛いなぁ。


 海外進出したいというのも、日本で活動したいというのも間違ってなくて。だからこそしんどい。

 

 脱退や退所自体が悪ではないと思います。

 
 転職が当たり前の時代。アイドルだってあくまでひとつの職業でしかないんですよね。
 ジャニーズ所属のアイドルたちはその多くが小中学生で事務所に入所しています。
 よく「部活みたいな感覚だった」「男子校みたいなノリだった」と語られますが、学生生活の延長だったものがいつの間にか仕事になり。
 自分たちの意思だけではどうにもならないところでグループが組まれ、大人が決めたタイミングでデビューが決まる。
 それを一生やれというのはなかなか酷な話だと思います。

 生まれながらのアイドルなんてひとりもいなくて、みんなアイドルという職業に就いているだけ。
 大人になっていく中で、色々な世界を知っていく中で、新たな目標が見つかったり、目指す場所が変わることは仕方のないことです。

 そう頭では分かっているけど。
 ファンとしては、ずっとアイドルでいてほしいと願ってしまう。

 好きな人がアイドルでなくなってしまうこと。応援したいグループのかたちが変わってしまうこと。 

 受け止めなくちゃいけないけど、すぐには受け入れられなくて。

 月並みな言葉ですが、これはもう時間が過ぎるのを待つしかないと思います。

 

 私はKAT-TUNのファンなので、メンバーの脱退を3度経験しています。グループの充電期間も経験しました。
 
 1番ショックだったのは赤西くんの脱退だったけど(仁亀シンメ厨なので)、1番しんどかったのは田口くんの脱退かもしれません。
 2015年11月24日ベストアーティストでの生放送中に脱退を発表されてから、最後の日である2016年3月31日を迎えるまでの約4ヶ月。
 どんな気持ちでKAT-TUNを見ればいいのか分かりませんでした。しんどかった。
 終わりまでのカウントダウンが進んでいくことがただただ辛かった。

 脱退発表から脱退の日まで、KAT-TUNを見ていて楽しい瞬間もあったけど、このKAT-TUNが見られるのは3月までなんだって心のどこかでいつも思ってました。

 思い返しても辛い日々だったなぁ。
 だけど、あの期間があったからこそ、私は4人のKAT-TUNを引きずることがなかったんだと思います。(充電期間があったことも大きいですが)

 赤西くんの脱退は予感はしていたものの発表は突然だったし、聖くんの契約解除は事後報告でした。
 だから6人のKAT-TUNとも、5人のKAT-TUNともちゃんとお別れができなかった。
 「これが最後なんだ」って目に焼き付けることができなかった。

 でも、4人のKAT-TUNにはちゃんとサヨナラができたと思っています。
 4人で出演した最後のMステはあれから6年以上が経った今でも見返すことは出来ていないけど、それでも、あの日で一区切りつけることができたと思っています。


 ファンとしては脱退自体が辛いことなので、それが事前に知らされても突然だったとしても、それぞれの辛さがあります。
 どっちみち辛いなら、ちゃんとお別れできた方が振り返った時の後悔は少ないのかもしれません。

 

 

 ジャニーズ事務所ではCDデビューが就職に例えられることがあります。
 だとしたら、脱退や退社は転職にしかすぎません。
 彼らは事務所と契約をして、それを更新することで、アイドルでい続けてくれている。
 忘れがちだけど、忘れちゃいけないんだなぁって。

 ただ、そんなことを四六時中考えてたらファンでいることが楽しくなくなっちゃうので、普段は忘れててもいいと思うんですよね。
 ファンでいる理由なんて好きだからだし。オタクっていうのは趣味で娯楽だし。今日も明日も、ただ、好きでいたい。

 


 永遠なんてないから。いつか終わりが来るから。

 

 だったら、せめて永遠ではない時を一瞬でもムダにはしないように、毎日楽しくオタクをしていたい。

 


 願わくば、その日がくるのが1日でも先でありますように。